2000年度の展覧会
禅院の美術 ー建仁寺正伝永源院の名宝ー
平成12年4月8日〜5月28日
京都五山中の名刹である建仁寺に属する塔頂である正伝永源院の依頼を受けて、蔵物調査を行い、その成果として同寺が所蔵する書跡や絵画、また豊臣家や千利休と関連がある茶人織田有楽ゆかりの寺院としての性格から茶道具を中心に展覧会を構成した。さらに建仁寺の所蔵する国宝俵屋宗達筆「風神雷神図」をはじめとする同寺院と関連する作品を合わせ、139点を展示した。伝統ある京都の古刹において美術作品がどのように守り伝えられてきたのかを紹介することができた。それとともに、宗達のもっとも名高い「風神雷神図」が京都や東京の国立博物館以外ではじめて特別に出陳されたことにより、展覧会の内容が一段と充実することとなった。
書画の美 ー久保惣コレクションの名品ー
平成12年6月4日〜7月23日
第一次久保惣コレクションのうち、平安から江戸時代にかけての書跡と絵画を中心に、国宝、重要文化財20点を含む38点を前・後期に分けて展示した。
常設展茶の器を楽しむ ー茶の湯と煎茶ー
平成12年7月30日〜9月24日
日本と中国の陶磁器を中心として茶の湯と煎茶の器を展示した。
中国絵画 ー近代百年のあゆみー
平成12年10月9日〜11月26日
台湾出身の実業家林宗毅氏の収集された中国近代絵画411点が和泉市に寄贈された。この寄贈を記念して催した展覧会である。これらの作品が制作された時代は、明時代から中華民国時代までの長きに渡るが、中心となるのは19〜20世紀の画家たちによる作品である。寄贈品の中から、近代を代表する画家の作品160点を選び前・後期に分けて展示し、中国における近代絵画の足跡をたどった。そこには美術としての価値ばかりか、歴史的、伝統的、民俗的、思想的な面からの影響も読み取れるが、こうした中国近代絵画の多層的な内容や問題点にも鑑賞者の関心が及ぶよう努めた。
中国の工芸 ー陶磁器と金工品ー
平成12年12月3日〜平成13年1月28日
新石器から清時代にいたる歴代の陶磁器と金工品129点を展示した。
常設展源氏絵 ー土佐光吉の絵画ー
平成13年3月1日〜3月31日
桃山時代の絵師、土佐光吉の筆になる「源氏物語手鑑」80面のうち54面と、工芸品12点を展示した。