×閉じる

トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果

錫 茶心壺

作品名 錫 茶心壺
(すず ちゃしんこ )
時代 清時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 一口
サイズ 高8.6cm

解 説

茶心壷は煎茶の席中にあって、茶葉を容れて用いる器である。抹茶用の茶入と同様、格高い扱いがなされ、端然とした風格が求められる。本器は、胴、合口、底を別々に鋳造、あるいは鍛造して接合し、磨いて仕上げている。稜花形ながら、器面に鋭いところがないのは、材質そのもののやわらかさと、磨きの丁寧さ故であろう。器肌は、蓋裏を除いて、錆びて暗灰色におちつき、所々小さく黒い、錫特有の斑文ができている。この沈静の趣きは、とりわけ清時代の文人、そして日本の煎茶家に好まれた。蓋の合口は二重になっていて、やや厚目に作られた蓋甲の重みでなめらかに確実にしまり、ともに、湿気を防ぐ役割を果たしている。用を深慮した作法が風格を高め、清時代の佳き頃の作風をしのばせる。

戻る