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木造 胎蔵界八葉院曼荼羅刻出龕
指定 | 重要文化財 |
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作品名 | 木造 胎蔵界八葉院曼荼羅刻出龕 (もくぞう たいぞうかいはちよういんまんだらこくしゅつがん ) |
時代 | 平安〜鎌倉時代 |
地域 国 | 日本 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一基 |
サイズ | 高21.8cm |
解 説
このような小仏龕は、僧侶や仏教信者が日々身近において礼拝する便に作られたものである。修行にある僧侶がどのような環境にあっても礼拝が行なえるよう、在家の信者が身近において礼拝を行なうためなどに用いられていたのであろう。仏龕の内部には胎蔵界の中央八葉院の誘導九体と四隅に四天王を刻出する。曼陀羅は仏の救いの深さを、広大な密教的宇宙観の図像化によって表すもので、平安時代以降盛んに製作された。それらは絵画作品が主流だが、先に述べたような目的をもってこのような仏龕形態のものも作られていた。薄い奥行の制約のなかで、背景となる地文様からわずかに浮き出る八葉蓮華、光背を負った諸仏というように各モチーフが少しずつ厚さを変えて図像を表現している。全体の構成を破綻なくまとめ、中央の大日如来は比較的良好な出来栄えをみせるが、他の八尊、四天王像は鈍い作りになっている。