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玉 龍文把杯

作品名 玉 龍文把杯
(ぎょく りゅうもんははい )
時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 一口
サイズ 高10.1cm

解 説

商(殷)時代には觚、<し>と呼ばれる器形があり、酒杯として用いられた。觚や<し>よりも遺品は少なく、当時の名称も知られていないが、このような透彫の把手をもつ杯があり、河南省安陽市で発掘された「婦好」墓から出土した、象牙に緑松石(トルコ石)を象嵌した同形の杯は、この倍はどの大きさで、豪華なつくりであった。婦好という人は殷の王朝の権力、ことに祭祀に深くかかわった高位の女性で、その墓から出土したということと、遺例が稀なこととをあわせると、ごく短い期間だけおこなわれた儀礼用の酒器かと推察される。白玉(白大理石)を使った造器は商時代の中頃から盛んになるが、まもなく廃れたようで、後、六朝時代の後半から唐時代の仏像に利用されるまではとんど遺品を見ない。脆く、割れやすい大理石の性質ゆえか、厚くつくられており、見た目よりもずっしりと重い。黒くこびりついた汚れは、土中で水に溶けだした石灰と泥などが固まったものである。(<し>の漢字表記は、画像内に表示されています。)

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