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青花粉彩 器玩図碗

作品名 青花粉彩 器玩図碗
(せいかふんさい きがんずわん )
時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 二口
サイズ 高6.5cm 口径15.0cm 

解 説

この形、この大きさの碗はPalace bowlと称され、近代の西欧では好んで蒐集の対象とされた。同じ意匠の碗を数多く用意し、宮廷内での皇帝をはじめとする貴人の食膳に供された器で、明時代からほぼ同じ形が踏襲されている。明時代の初期には青花(染付)が主であったが、やがて透明な釉薬のうえに色釉で装飾する上絵付けの技法が普及するにつれて、赤絵、五彩、闘彩など色鮮やかな碗が卓上に並べられるようになった。この一対は清時代の道光年間(1821〜50)に作られたもので、もとは何十という数がそろえられていたうちの一部分である。内面には青花で灯籠が表され、外面には瓶壺に挿した粟と梅樹や灯籠が粉彩(琺瑯彩)で描かれている。琺瑯彩という上絵付けの技法は、琺瑯(七宝)の釉薬を透明釉をかけた磁胎に応用し、陰影、濃淡をともなう絵画と同じ表現を可能にした。最も精美な絵付けがなされたのは清時代、康煕〜乾隆(1662〜1796)の間で、その細密な描写は陶磁の装飾の域を超えて絵画的である。臙脂の地に針で掻いたような細かい唐草文を表し、その上に陰影を強調した洋風の花模様があしらわれる。白く抜いた円形の窓(開光)の中の絵は、多産多子を象徴する粟のほかに、盒子、仏手柑、如意など吉祥の主題が組み合わされ、器玩の図の体をなす。表裏に飾り立てた灯籠があるところから、元宵節(正月15日)のめでたい宴の器として作られたものかもしれない。

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