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青銅 獣頭形帯鉤

作品名 青銅 獣頭形帯鉤
(せいどう じゅうとうがたたいこう )
時代 戦国
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長6.8cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 獣の横顔を鉤面全体を使って表現している。鋭く尖った鳥の嘴のような表現があるいっぽうで、頭部には山羊のような角と耳がある。鷲、獅子などを組み合わせて作られた想像上の動物、グリフォンではないかと思われる。グリフォンはユーラシア地域の紀元前5世紀から紀元前2世紀頃の工芸品の文様に見られ、この帯鉤はその影響を受けたものであろう。鉤首の獣頭形は明らかに戦国時代から前漢時代の形式であり、ユーラシアの文化が東方に伝わっていたことを示す非常に興味深い資料である。ただ、中国北方の遊牧民の手になるものか、中国中央地域での製作なのかは判断しにくい。柄、鉤面ともに厚い作りになっている。(江川淑夫氏寄贈品)

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