×閉じる

トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果

青銅鍍金玉石象嵌 猿文帯鉤

作品名 青銅鍍金玉石象嵌 猿文帯鉤
(せいどうときんぎょくせきぞうがん えんもんたいこう )
時代 戦国〜前漢
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長15.8cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 鉤面を透かし彫りに作り、滴形と円形の玉と青石を嵌め込んでいる。残念ながら、玉の多くが欠失してしまっているが、当初は鍍金に貴石が映える豪華な作品であったことが想像される。鉤首は横幅のある獣頭形に作り、獣面の眉間に緑松石が象嵌されている。鉤面の文様モチーフは把握しにくい。滴形と円形を取り囲むように線が巡らされているが、龍などの動物が絡まっている表現ではないようである。抽象文様であろうか。鉤尾には猿が一匹、帯鉤に取りついている姿で表わされている。鉤面の厚みは1.2cmだが、その内部は象嵌の欠失した穴から見えるとおり、空洞になっている。ただ、鈕を取り付ける部分にのみ、側面と側面を橋渡しするように底板が設けられている(鉤面中央の滴形の穴を通して見える個所)。そして、当初はその部分以外も、青銅か銀などの板で、裏面はふさがれていたと思われる。(江川淑夫氏寄贈品)

戻る