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銀鍍金 蓮池摩羯文五花形托
作品名 | 銀鍍金 蓮池摩羯文五花形托 (ぎんときん れんちまかつもんごかがたたく ) |
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時代 | 唐 |
地域 国 | 中国 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一点 |
サイズ | 径16.7cm |
解 説
杯を載せるための托で、銀製の杯が本来は備わっていたと思われる。杯を載せる中央の円圏内には頭が獣で体が魚の摩羯が表されている。摩羯を囲む星のような形は蓮葉の縁が反った形状の表現で、星形の外側は金鍍金を施している。摩羯を囲む凸帯の側面には縦の線刻があり、凸帯上面には連珠文があり、縦線と連珠文で蓮花の蕊を表していると思われる。凸帯の外側に蓮弁文を立体的に作り、その周囲は一段低くし、流水文を線刻している。鍔状の縁は五花形で、五つの花弁内側には草花文を刻み、その周囲は魚々子文で埋めている。裏面は文様はなく、圏足の側面には蓮葉の表現である波状形が表されている。文様を刻んでいる線は、太さが効果的に変えられており、摩羯や草花文などの輪郭を太い線、蓮弁や蓮葉の脈は細い線が用いられている。また、金鍍金は文様ごとに塗り分けされ、金と銀の二色が映える仕上がりとなっている。中央の円形凸帯や蓮弁は鍛造による打ち出しで作り、底面は別作りの銀板を鑞付けして塞いでいる。圏足も鑞付けによって接合している。外底面には「王」「个」に近い形の線刻がある。蓮葉文は唐時代後期頃から多用される文様で、九世紀以降の製作と思われる。盛唐の頃の精緻を極めたような銀器には及ばないものの、銀製品ならではの打ち出しや鏨彫りの技巧が発揮され丁寧に仕上げられ作品となっている。