×閉じる

トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果

枯木鳴鵙図

指定 重要文化財
作品名 枯木鳴鵙図
(こぼくめいげきず )
作者名 宮本武蔵(みやもとむさし)
時代 江戸時代
地域 国 日本
分野 美術
員数 一幅
サイズ 125.5×54.3cm

解 説

武芸者 宮本武蔵(1584~1643)は、墨画を善くし、二天の号をもって知られる。その画技は減筆体を特徴とし、同様の作風を示す海北派や長谷川派との関連も考えられるが、特定の師や作画時期については詳らかではない。身動ぎもせずに鋭く目を据える鵙と枝をゆっくり這い上る虫。すくとして残る枯れ枝と微風に揺らぐ低木。それぞれは静と動の対比において捉えられるが、次の瞬間に虫を待ち受ける運命を予測するとき、均衡が破られる前の張り詰めた空気さえ感じさせる。形態把握の的確さや描写の迫真性からは、天賦の才ばかりか修練によって培われたするどい観察力、洞察力に基づいたゆたかな筆力を想起させずにはおかない。自らの兵法の要諦を説いた『五輪書(ごりんのしょ)』のなかで、書画などの諸芸にかかわることも兵法を鍛練する手段であると述べており、その作画に武を極めようとする真摯な気魄が反映されているとみられる点で、画業をもっぱらとする画人とは性格を異にする。

戻る