×閉じる

トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果

青銅 菊花流水双鶴文鏡

指定 重要文化財
作品名 青銅 菊花流水双鶴文鏡
(せいどう きっかりゅうすいそうかくもんきょう )
時代 鎌倉
地域 国 日本
分野 美術
員数 一面
サイズ 直径22.7cm

解 説

土坡に鳴きかわす二羽の鶴と、鈕を象る亀がいずれも長寿の象徴として吉祥を表している。また主文である一株の菊花が、菊慈童の伝説を連想させて、長寿を願う気持ちを強めている。菊花は一輪一輪の細部までゆるがせにせず、緻密に表され、手前の水波は美しい波紋を見せている。土坡は州浜形に表現され、地面は平滑にせず、凹凸をつけて写実的効果をもたせ、中央の岩上からは、鶴との縁で小松の枝が添えられている。
 鏡背の約半分を占めて広がる菊は、花の表裏を描き分け、つぼみと葉を添えて装飾と写生を兼ねた表現となっているが、大和絵の描写同様、花の大小の変化や観る角度の変化は無視されている。土坡や菊の茎・葉は鋳型に篦彫りして表されているが、菊花は大小二つの印を型面に押圧して作り、花芯、花托を加えたことが確認され、そのことが上に述べたような描写を生んだともいえよう。
 縁には一孔が穿たれ、かつて社寺の柱等に懸けて用いたものと推測される。背面、鈕上から力が加わり、亀裂が生じたものを復元した痕跡もあり、鈕孔がつぶれているのもその結果である。
 背面には漆が塗られているのであろうか、褐色を呈しているが、鏡面は地金の色を見せてやや黄味を帯び、銀白色のメッキがわずかに残る。

戻る