トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果
青銅 牡丹流水蝶鳥文鏡
指定 | 重要文化財 |
---|---|
作品名 | 青銅 牡丹流水蝶鳥文鏡 (せいどう ぼたんりゅうすいちょうちょうもんきょう ) |
時代 | 鎌倉 |
地域 国 | 日本 |
---|---|
分野 | 美術 |
員数 | 一面 |
サイズ | 直径19.9cm |
解 説
池か川か水辺に植えられた牡丹に二羽の鳥と蝶が舞う。土坡は洲浜形に象られ、装飾的な点描によって地面を表す。また水波を土坡の手前の外区の部分に描いたのも、図柄が繁雑になることを避けた意匠上の象徴的な構図と思われ、土坡の左端には姫小松を配して吉祥性を高めている。
鈕座は省略されてなく、低い鈕にさらに外圧が加えられたためか、鈕孔はふさがっている。鈕頂が平面になっているが、本鏡にあっては後世なんらかの理由によって研磨された結果である。
鏡背全面の褐色の光沢は、古色にもよるが、主として後世、保存と美化のために塗られた生漆の効果である。また、鏡面には銀白色のメッキがのこっている。
本鏡のように右方にやや大きく広がって、点描をもつ洲浜形に、波紋を外区に加え、大きく菊や牡丹、あるいは秋草を描き、双鳥を配するという意匠は、「永仁二年」の施入銘をもつ新田神社の蔵品、「弘安元年」銘の諏訪神社の蔵鏡などにもあり、鏡体の形式からも鎌倉時代後半の作と考えられる。
付属の箱の蓋裏に金銀の切箔を散らした料紙を貼り、「神亀年中鏡延喜式曰平城鏡称ス/興福寺正法院所持品天正三年春/東大寺宝珠院(被)贈之其後當院□/貞享丙夘年」と記す。また蓋表には「廣瀬」という貼紙がある。長尾美術館の所蔵となり、その後久保氏の蒐集に加えられた。