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青銅 双魚唐草文鏡
作品名 | 青銅 双魚唐草文鏡 (せいどう そうぎょからくさもんきょう ) |
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時代 | 金 |
地域 国 | 中国 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一面 |
サイズ | 直径12.2cm |
解 説
唐時代において青銅鏡製作は、海獣葡萄文鏡などの優れた製品を生み出していたが、宋時代以降になると文様造形および製作技術に変化が出る。唐時代の彫刻的ともいえる造形は低調となり、鏡は比較的薄い造りとなる。漢時代や唐時代の仿古作や無文の鏡も作られている。また、錫成分の比率を低くして鋳造されたと思われ、白銀色ではなく黄色の青銅が使用されている。そのため鏡面に錫鍍金を施して使用していたと思われる。この鏡も鈕の頂部に黄色い金属が現れている。
幅広の縁は無文で、外区には蓮唐草文、内区には池に泳ぐ双魚を鋳出している。双魚文は、宋時代以降様々な工芸分野で使用された吉祥文で、魚の発音が余と同じであることから、財産の豊かさの象徴とされた。また、蓮は実を早くつけることから子供を早く授かる象徴として吉祥の文様とされた。文様の仕上がりは、漢時代や唐時代の鏡と比べると精密さで劣ることは否めないが、十二〜十三世紀の鏡の有様を知る上で価値ある資料といえる。