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青銅 海獣葡萄文鏡

作品名 青銅 海獣葡萄文鏡
(せいどう かいじゅうぶどうもんきょう )
時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 一面
サイズ 直径17.1cm

解 説

海獣と称される獣と葡萄唐草文を文様にあしらった鏡。海獣は唐時代より後の時代に作られた名称で、獅子に似た姿の獣である狻猊のことを指す。外区には、外周に雲のような形の花文が並び、その内側に葡萄唐草文を下地にして、狻猊、鳥、蝶が配される。内区も、葡萄唐草文を下地に狻猊と二本の角を持つ獣(麒麟であろうか)が交互に置かれ、中心には獣形の鈕が備わる。隋時代の鏡に現れていた写実風で立体的な文様表現が、唐時代になってよりいっそう進み、丸彫りのような厚み(高さ)をもって、獣のからだは自然な肉付きや丸みを備えた表現となった。この鏡は、そのような唐時代の鏡の文様造形において典型といえる仕上がりを備えている。また、錆などの傷みが少なく、白銀色の青銅の輝きを見ることができる。飛鳥資料館によりこの鏡の金属成分が調査されており、銅が約七十%、錫が約二十五%、その他の金属が約五%という結果が出されている(『海獣葡萄鏡研究図録』奈良文化財研究所・飛鳥資料館、二〇〇七年)。この鏡と同じ型を使ったと思われる鏡が高松塚古墳から出土しているほか、陝西省西安市にも出土品があり、唐時代の鋳造技術の研究上も興味深い作品となっている。

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