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蒔絵 秋草文平棗

作品名 蒔絵 秋草文平棗
(まきえ あきくさもんひらなつめ )
時代 江戸時代
地域 国 日本
分野 美術
員数 一合
サイズ 高4.4cm 径8.1cm

解 説

黒漆地に金の梨地粉を蒔き、薄肉の高蒔絵で土坡に秋草の叢を表している。土坡に秋草の文様は、平安時代以来、絵画や工芸文飾に数多く表されてきた。桃山時代の蒔絵の文様にも数多くの遺品があるが、それまでと違って秋草のなかに菊が混在することが多い。そして、秋の情趣よりは豪華さを表出しようとして描かれることが多い。この棗の秋草もその傾向が濃く、萩、桔梗、女郎花、藤袴のなかに八重で大輪の菊花が目をひく。蒔絵粉の金色は黄味がちのものと青味がちのものと2種類があり、桔梗の花などは後者、女郎花の花などは前者というように蒔き分けられている。全般に丁寧な仕事がなされており、蒔絵粉がたいへん細かくて粒 がそろい、種類も多い ので江戸時代の作と判断される。器内にも菊と桔梗の蒔絵が施されている。ややこぶりの平たい棗ということもあり、少人数で薄茶を楽しんだ後に、身近で鑑賞されたのではないだろうか。

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