青銅　雲気文匙形帯鉤

解 説

　帯鉤は帯留め（ベルトバックル）として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首（フック状の部分）と鉤面（文様が表される本体部分）の裏面にある鈕（茸形をした突起）を、帯（ベルト）の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
　裏面は内側に窪み、その分鉤面はやや薄い作りになっている。また、柄の裏面も緩く窪んでいる。鉤首は目口などの作りは無いが、鳥頭を象った形態である。柄と鉤面には大小の渦文様が、左右対称に配置されている。渦文の特徴から戦国時代の製作と考えられる。（江川淑夫氏寄贈品）