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青銅 方相氏龍鳳凰文帯鉤
作品名 | 青銅 方相氏龍鳳凰文帯鉤 (せいどう ほうそうしりゅうほうおうもんたいこう ) |
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時代 | 明〜清 |
地域 国 | 中国 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一点 |
サイズ | 長13.3cm |
解 説
帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
熊の皮をかぶった四つ目の神・方相氏は、右手に戈、左手に盾をとり、疫病をしりぞけ、葬送の路を開く神であった。南北朝時代から墓室の壁面などにも描かれている。そのような神がなぜ帯鉤の意匠にされたか、いくつか同じ文様の帯鉤が知られている。葬送の衣装に添えられた帯鉤だろうか。
本鉤も古書に記されているとおり、四つ目の熊の頭に文様のある衣服を着用し、右手に剣、左手に盾、右足に刀子、左足に斧をもつ。鉤首はくるりと曲がって大きく、明、清時代の倣古作の形式を備えている。錆の色は人為らしい単調さで、その下には黒い下地が塗られている。柄の面角も近代的で、赤みのある地金には少しの傷みもない。鈕に蛙が彫られ、裏面には「五□丙午作」という刻銘がある。(江川淑夫氏寄贈品)