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青銅 鸚鵡形帯鉤

作品名 青銅 鸚鵡形帯鉤
(せいどう おうむがたたいこう )
時代 戦国〜前漢
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長8.2cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 鸚鵡か鸚哥に見えるが、ももの肉づきもたくましく、本来は鳳凰のような霊鳥を表したのかもしれない。唐時代になると鸚鵡や鸚哥は工芸意匠の主題になるが、この時代にはまだ珍しい。足にも筋力がみなぎり、爪は鋭く強い。それらの彫刻的な表現は優れて巧である。鉤の曲がりは浅いが、意匠からすると縦に使った特殊な作品であろう。厚く、頑丈な作風は秦時代の小帯鉤よりも堅実で、戦国時代の遺品と見るべきである。鉤頭と柄部の錆は残し、鳥の全体は褐錆層まで出して区別している。骨董品としての処置の一面である。(江川淑夫氏寄贈品)

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