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青銅鍍金 獣文琵琶形帯鉤

作品名 青銅鍍金 獣文琵琶形帯鉤
(せいどうときんじゅうもんびわがたたいこう )
時代 戦国
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長7.7cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 図版では横位置で掲載をしているが、鉤首を下にすると鉤面の文様が見やすい構成になっている。その点で、何かを吊り下げる鉤として用いられた作品の可能性もあろう。柄には鍍金がよく残っているものの、鉤面は錆のため鍍金が落ち、文様も見難くなっている。鉤面尾部よりにとがった口の獣の横顔が作られている。太く長い首の端(鉤面の尾部寄りの縁部分)には2爪の足が作られている。この頭、首、1本の足は明解であるが、そのほかの鉤面の文様構成は把握しにくい。鉤面には四個の円形の窪み(内1個は穴)があり、ここには金銀玉など、何かが象嵌されていたと思われる。柄から鉤面まで裏面は窪んだ作りになっていて、そこには白色で硬質の充填物が詰まっている。鈕は失われており、おそらく充填物を蓋するように、裏面には金属製の覆いがあって、鈕もそれに付いていたのではないかと推測される。半立体的に表現されている鉤面の獣の彫刻は、戦国時代の優れた造形の一端をよく示している。(江川淑夫氏寄贈品)

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