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青銅鍍金銀 雲気文琵琶形帯鉤

作品名 青銅鍍金銀 雲気文琵琶形帯鉤
(せいどうときんぎん うんきもんびわがたたいこう )
時代 前漢〜後漢
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長12.5cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 鏨をねかせた長い打刻点線で雲気文を描き、雲気に鍍銀し、余白を鍍金で埋めている。この種の鍍金銀による文様表現は前漢時代から後漢時代の初期に流行した装飾で、鍾や洗、漆器の鋪首などにも適用された。鉤首の形、鉤面のやや太めに流れるような姿も前漢末期〜後漢初期の作風を示している。裏面に篆体の刻銘があり、「五月丙午作」と読める。「五月丙午」という字句を含む銘文は青銅鏡に多く、帯鉤、武器にも散見され、その意味について、鋳造と火と五行思想とのかかわりを論ずる説と、五月五日と重ねて考える説とがある。青銅鋳造とその吉日を言う語句であることは想像できるが、なお詳らかではない。ただ、この銘字は雲気文の刻線との類似から製作当初のものと判定され、資料として重要である。江蘇省丹陽県の後漢墓からは「永元十三年五月丙午日鉤」という銘をもつ帯鉤が出土している。(江川淑夫氏寄贈品)

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