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青銅金銀象嵌 雷文琴形帯鉤

作品名 青銅金銀象嵌 雷文琴形帯鉤
(せいどうきんぎんぞうがん らいもんことがたたいこう )
時代 前漢
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長13.4cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 全体の形は、棒形帯鉤の断面を方形にした形式と解釈すべきであるが、類品が少ないので仮に琴形の名称とした。方形の面角、裏面の処置も丁寧で、文様の表現も整然としている。鈕はいったん円形に鋳造し、鉤身の幅にあわせて両側を削りおとし、その造作にも齟齬がない。漢時代のすぐれたもの造りの一面であろう。このような作風を愛でたのか、出土してから長く愛玩されたらしい風合いがある。全面の錆を慎重に研ぎ戻し、原初の文様線を彫り直し、象嵌の傷みを補修している。側面と鉤面にも金銀象嵌がなされている。
 形と文様がよく似た玉帯鉤が河北省定県の後漢時代の墓から出土しているが、製作はさかのぼる可能性もあり、前漢時代を想定した。(江川淑夫氏寄贈品)

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