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青銅鍍金銀 絡獣文琴形帯鉤

作品名 青銅鍍金銀 絡獣文琴形帯鉤
(せいどうときんぎん らくじゅうもんことがたたいこう )
時代 戦国〜前漢
地域 国 中国
分野 美術
員数 一点
サイズ 長19.2cm

解 説

 帯鉤は帯留め(ベルトバックル)として使用されたもので、戦国時代から漢時代にかけて数多く製作されている。先端の鉤首(フック状の部分)と鉤面(文様が表される本体部分)の裏面にある鈕(茸形をした突起)を、帯(ベルト)の両端に設けた孔に引っ掛けて装着した。
 鉤面の複雑な文様は、2匹の龍が絡み、その体は雲(雲気)と混然としている様を表現している。注目すべきなのは柄と鉤面に非常に細い線刻による文様表現が施されている点である。柄には逆V字形を細線と点描で描き、鉤面の各所には細線による斜線文が施されている。鉤面の側面にも格子状に細線が刻まれている。これらの細線は、まるで細刃のカッターで筋をつけたかのような、細くシャープな線である。これに類似する卓越した細線表現の作品に、白鶴美術館の青銅鍍金鳥獣形頭飾金具がある。鉤首の獣頭にも通例の帯鉤には少ない細密表現が見られ、裏面には銀メッキが施されている。戦国から前漢時代の帯鉤の中でも極めて高度な内容を備えた作品といえよう。裏面は大きく内湾しているため、厚みが抑えられていて重みはあまり感じられない。なお、折れてしまった個所が鉤面に2個所あり近年の補修が施されている。(江川淑夫氏寄贈品)

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