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青銅 胴四方波文瓶

作品名 青銅 胴四方波文瓶
(せいどう どうしほうはもんへい )
時代 元〜明
地域 国 中国
分野 美術
員数 一口
サイズ 高26.0cm

解 説

 頸は円筒形、胴部は横断面が正方形に作られた花瓶。鋳造品で、文様は型から出だされている。底部は別作りした板を鑞付けしている。器表全体が黒褐色で、文様の隙間は塵汚れのため白色に見えている。口部は盤口に作り底部には圏足がある。頸には上部から、菱文、無文帯、獣面文、無文帯、渦文を地文とする卍文・円渦文、無文帯、菱文と文様が配されている。胴部には、上面、側面そして下面にも文様が表されている。胴部上面には波涛文が表され、側面には波涛文を背景に龍を左右に配する図像が各面共通に表されている。底面は上面と同様の波涛文を表す。圏足は、上半部に唐草文帯、下半部は無文で、凸曲して外方向に広がる形に作られている。頸の獣面文をはじめ文様帯の渦文地や円渦文は商周の文様に倣った造形であろう。胴部上面と下面の波涛文は波頭の立つ大海を描き、側面は波文を下地として龍二体を描く。横方向に伸びている小さな弧を連続させた幅のある線は龍の体の表現と思われる。太い頸、大きく張り出した方形の胴は、堂々とした造形で、祭器や寺院の什器として使用されていたものかと思われる。伝来は明らかではないが、早くに日本にもたらされ寺院や書院で使用されていた可能性もあろう。

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