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青銅 菩薩立像

作品名 青銅 菩薩立像
(せいどう ぼさつりゅうぞう )
時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 一躯
サイズ 高25.6cm

解 説

 小形の青銅(鍍金)仏は、北魏時代から南北朝時代末にかけて、形式の変化を伴いながら盛んに製作されていたことが、現在見ることのできる遺例から知られる。唐時代にも小形の青銅(鍍金)仏の製作は継続し、石窟寺院の石造彫刻などに顕著に見られる新たな唐時代の彫刻形式をまとった造像がなされた。盛唐時代の作品は、体の肉付けや姿勢を現実の人体に近い表現がされ、数センチほどの作品にもその形式が盛り込まれている。この菩薩像でも、目鼻などの顔の作りや表情、胴から手足の作りに、自然な人体表現が見られる。20センチを超える大きさでもあり、静かで威厳のある顔の表情も作りだされている。目鼻、衣の襞など細部は、鋳造後の鏨彫りで仕上げられ、やや粗さはあるものの的確な描写がなされている。その一方で、背面の表現は省略されて、表側の形に沿って窪んだ形になっており、鋳肌の除去もされず鋳放しのままの状態が見られる。正面からの視点を重視して、鋳造の簡便と素材の節約も慮った作りかと思われる。後頭部のほぞで取り付けられている光背は、透かし彫りの縁に鋳バリが残されており、粗い仕上げとなっている。下端左右にはほぞが設けられ、元は台座に固定されていたと思われる。像、光背とも緑色を呈しており、欠損した個所の状態から錆が進行し脱胎状態なっていると思われる。光背の左右の縁が上方にかけてほとんど凹曲せず直線的な滴形の特徴から、唐時代後期頃の製作が推定される。

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