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青銅 辟邪形硯滴
作品名 | 青銅 辟邪形硯滴 (せいどう へきじゃがたけんてき ) |
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時代 | 後漢 |
地域 国 | 中国 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一基 |
サイズ | 長9.8cm |
解 説
硯滴は硯に墨を擦るための水を垂らすための器。漢時代には筆、墨、硯などの筆記具が発達し、このような文房具が作り出されていた。辟邪は想像上の神獣で、四足で角を持ち、足の付け根には翼がある。漢時代、三国時代の石像や画像石にその姿を見ることができる。ここではうずくまった姿で辟邪が表現されている。水を容れるため内部は空洞に作られ、背中中央に短い円筒形の孔があり、辟邪の口に注ぎ口が作られている。この時代の硯滴は、辟邪などの動物を象ったものが多いが、それらは口に耳杯を銜えた姿に作っている類例が多い。これは口の孔から直接水を硯に垂らすのではなく、硯滴を傾け口から耳杯にいったん水をためてから硯に垂らすという使い方をするためであった。この作品もかつては耳杯が口部に設けられていたと思われる。小型ながらも、辟邪の顔立ち、足の付け根の翼などが的確に作られており、翼には鏨で細線が丁寧に刻まれている。鍍金はほとんど落ちてしまっており、一部に残存が見られる。