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鍾馗図

指定 重要文化財
作品名 鍾馗図
(しょうきず )
時代
地域 国 中国
分野 美術
員数 一幅
サイズ 96.7×52.0cm

解 説

 中国の故事には鍾馗について次のような話がある。中国・唐時代の開元年中、病に苦しむ憲宗皇帝が夢の中で破帽、藍袍に角帯姿の男が現れ、小鬼を捕らえ、目をえぐって殺した。素性は終南山の進士で科挙の試験に落ち自殺したが、手厚く葬られたことに感謝し、天下の邪を除くことを誓ったと述べた。目覚めた玄宗皇帝は病が癒えていたので、呉道子に鍾馗図を描かせ、年末に民間でもこの図を門に貼って邪を払うことを奨励したという(『事物起源』ほか)。

 巨眼で鬚を貯え、黒冠、黒衣に長靴を履き、右手を振り上げ、左手で掴んだ邪鬼に振り下ろそうとしている。衣文や体躯を作る描線は硬くてやや動きに乏しいが、顔貌には隈取や陰影によって迫真的な力強さが備わる。鍾馗図の魔除けとしての性格の片鱗が窺える。

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