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熊野懐紙

指定 重要文化財
作品名 熊野懐紙
(くまのかいし )
作者名 藤原範光(ふじわらののりみつ)
時代 鎌倉時代
地域 国 日本
分野 美術
員数 一幅
サイズ 31.8×47.2cm

解 説

熊野の山々は早くから宗教上の聖地とされ、平安末期には本地垂迹説に拠り熊野三山が阿弥陀浄土に擬せられ、いわゆる熊野詣が盛んになった。なかでも後鳥羽院の御幸は頻繁で、その道中、いくつかの王子において法楽を重ね歌会を催している。この時、各自が詠み、自らしたためた懐紙を熊野懐紙と呼ぶ。本紙は藤原範光(1155~1213年)筆、正治二年(1200年)12月6日、滝尻王子(和歌山県西牟婁郡中辺路町)での作。歌題「山河水鳥」「旅宿埋火」をやや高く、全体の配置も整う。漢字には肥痩があり、墨色は濃く力がこもっており、鎌倉時代はじめの書風がうかがえるが、仮名は運筆がゆるやかで平安時代の余風を残しており、対照がおもしろい。

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