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猫の当て字 うなぎ
作品名 | 猫の当て字 うなぎ (ねこのあてじ うなぎ ) |
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作者名 | 歌川国芳(うたがわくによし) |
時代 | 江戸時代 |
地域 国 | 日本 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一枚 |
サイズ | 36.4×24.7cm |
解 説
歌川国芳は武者絵の国芳と言われるように、武者絵で浮世絵界に自らの位置を手にした。他方、戯画と呼ばれる、見て笑いを誘う浮世絵版画も多数制作している。戯画の中には動物を擬人化したり、人間を寄せ集めて大きな人間の顔にしたり、役者絵が禁じられると落書き風の浮世絵版画を制作したりと、さまざまなアイデアが見られる。
本図は猫を寄せ集めてうなぎという文字を形作るもので、嵌め絵とも呼ばれる。猫たちは眠っていたり、4本の足を上に投げ出したり様々なポーズで描かれる。よく見ると猫の文字の中にうなぎがまきついている。「ぎ」の濁点は猫に近づいて食べられてしまったかのようなうなぎの頭が用いられている。右下の落款部分は猫の首にまく鈴付きの綱でくくられ、左上の作品名は魚籠がひっくり返り網と中にいたであろう鰻が外に出てしまっている。猫で文字を作るというアイデアだけを見せるのではなく、細部までに目を向かせる趣向が秀逸である。