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春興五十三駄之内 鳴海

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作品名 春興五十三駄之内 鳴海
(しゅんきょうごじゅうさんだのうち  なるみ)
作者名 葛飾北斎(かつしかほくさい)
時代 江戸時代
制作年・年記・銘 享和四年(1804)正月
地域 国 日本
分野 美術
員数 一枚
サイズ 13.6×18.3

解 説

葛飾北斎(1760~1849)は、歌川広重(1797~1858)よりも早く東海道五十三次を題材にした作品群を、享和~文化年間(1801~1817)に7種類を制作したことが知られている(永田生慈『葛飾北斎 東海道五十三次』岩崎美術出版社、1994年)。制作年が判明しているのは2種類(享和4年・1804と文化7年・1810)あり、本作は享和4年に制作されたものである。サイズはほとんどが小判(大判の4分の1)であるが、日本橋、原、鞠子、藤枝、秋葉山之春□、鳳来寺春景、岡崎、桑名は小判を横に並べたサイズで制作されている。他にも宿場ではない図(秋葉山之春□、鳳来寺春景、岡崎池鮒鯉之間)がある点や、品川と岡崎だけが2図(宿場間を含めれば岡崎は3図)ある点、狂歌が添えられる点なども特徴といえる。それぞれの図では街道の風俗や名物などが描かれており、これは北斎の東海道五十三次作品群に共通する特徴である。後に小判横並びサイズの図を柳川重信が小判1枚に描きなおし、狂歌を削除して出版された。

注記:各図の狂歌は上の句と下の句の間に/を入れている。
狂歌師の後ろには桑陽庵二世浅草千則が桑陽庵初世頭光を追慕して発行した『百囀』(文化2年・1805)に掲載される内容を( )で記している

鳴海 画狂人北斎画 宮へ一り廿六丁
上野鐘近
うららかになるミのさとは佐保姫も/霞のきぬをしほる糸ゆふ

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