×閉じる

トップページ > デジタルミュージアム > 検索結果

布袋図

指定 重要文化財
作品名 布袋図
(ほていず )
作者名 周徳 千林宗桂(讃)(しゅうとく せんりんそうけい(さん))
時代 室町時代
地域 国 日本
分野 美術
員数 一幅
サイズ 97.4×38.5cm

解 説

布袋(~917) は、中国唐末五代ころの四明山の禅僧で、名を契此、号を長汀子という。太鼓腹をあらわにし、日用品を詰め込んだ袋と杖をもって市井を托鉢してまわったところから布袋和尚と称された。また遺偈を介して弥勒菩薩の化身ともみられ、宋代以降には理財の神として民間での信仰をあつめた。日本では七福神に入れられ、招福の神として江戸時代以降、広く庶民の信仰を得た。福ふくしい円相と物にとらわれない悠然とした態度や奇行は、道釈人物画(仏、道教にかかわる人物画)の格好の画題となり多くの作品が生まれた。羽扇を手にした布袋を没骨による柔らかい筆致でとらえた描写は、その人柄や行いを写すにふさわしい手法といえよう。上方の速筆の樹枝、下方の布包みと杖、この二者の上下、向背と動静のバランスの間に、動くも止まるもつかずに立つ布袋の存在は、画面構成として絶妙といえよう。筆者は雪舟に師事した惟馨周徳、「周徳」の朱文重廓方印が捺されている。周徳は天竜寺の僧策彦周良(1501~1579)とともに入明したことが策彦の入明記『初渡集』からたどられ、活躍期は十六世紀前半と考えられる。大徳寺第八十五世、千林宗桂(1476~1549) による七言絶句の讃が草書体で記され、画と書の統一をはかるよう配慮がなされている。「宗桂」の朱文鼎印、「千林」の朱文方印をともなう。

戻る