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日本六十余州之図
作品名 | 日本六十余州之図 (にほんろくじゅうよしゅうのず ) |
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作者名 | アドリアン・レランド(あどりあん・れらんど) |
時代 | 18世紀 |
制作年・年記・銘 | 1715年 |
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地域 国 | アムステルダム |
分野 | 美術 |
員数 | 1枚 |
サイズ | 30.5×44.5cm |
解 説
オランダ・ユトレヒト大学で教鞭をとる東方学者であったアドリアン・レランド(1676-1718)が、1691(元禄4)年に石川流宣が製作した『日本海山潮陸図』を参考にして書いたとされる日本地図である。
漢字で地名が書き込まれ、石川流宣の図には書かれていないさまざまな家紋が描き込まれている。この地図を忠実に模写した結果、ティセラ型の日本地図と比較して本州の描写は東北部分が圧縮されたように見え、むしろ正確さを欠くものへと後退している。一方で九州の記述は詳細で、現代の地図にまで一気に近づく。
画面上部中央には、「韓唐」と書かれた小さな島が見える。これは実在しない空想上の島で、渡り鳥の雁がここに住むものと信じられていたため、後の地図では音を同じく「雁道」と書かれることもある。日本の遥か北にあり、人が立ち入れないほど寒いこの島には、雁の他に龍などの怪獣がいると考えられていたという。同様の記述は、日本の「行基図」と呼ばれる地図にも見て取れる。ロシアをはじめとする北方の地理が明らかになるにつれ、地図から姿を消した。