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韃靼或いは中華帝国図
作品名 | 韃靼或いは中華帝国図 (だったんあるいはちゅうかていこくず ) |
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作者名 | アブラハム・オルテリウス(あぶらはむ・おるてりうす) |
時代 | 16世紀 |
制作年・年記・銘 | 1570年 |
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地域 国 | アントウェルペン |
分野 | 美術 |
員数 | 1枚 |
サイズ | 35.0×47.5cm |
解 説
オルテリウスが製作した韃靼(タタール王国)と中国の地図である。地図の各所にはマルコ・ポーロの航海による記述が書き込まれている。画面左上方にテントとともに描かれるのは、タタール王国のカーン(皇帝)の姿である。地図右端にはカリフォルニアの地名を含むアメリカの南西部が書き込まれ、当時まだアメリカ大陸近くに位置していると考えられていた日本がその傍らに置かれている。
日本の上方、アメリカとタタールを隔てる部分には「アニアン海峡」と記されている。当時ヨーロッパからアジアを目指すには、危険の多いアフリカ周りの航路を進まねばならず、これを回避するために、北極海を通り抜ける北西航路の発見が切望されていた。そのルートを開拓できれば、黄金の国があるといわれたアジアの冨が容易く持ち帰れると考えた当時の人々にとって、このアニアン海峡はまさに夢の海峡であった。古くはマルコ・ポーロの時代から語られてきたこの夢の航路が開拓されるのは1850年になってからのことである。