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世界図

作品名 世界図
(せかいず )
作者名 じゃん・ばぷてぃすと・のらん(ジャン・バプティスト・ノラン)
時代 18世紀
制作年・年記・銘 1579年
地域 国 パリ
分野 美術
員数 1枚
サイズ 47.5×64.0cm

解 説

17世前半には、ブラウ一族によってアムステルダムは地図の製作中心地となった。しかしその後、ブラウ家の工房が火事に見舞われ、またフランスが太陽王と呼ばれたルイ14世の治世によって繁栄するとともに、17世紀後半には地図の中心地はフランスへと移る。本図も、フランスのパリで製作された。

半球図の周囲には、左上からヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカのそれぞれの大陸を表した人物が描かれている。人物はそれぞれに異なる大陸をイメージさせるように描き分けられ、大陸ごとの説明が記されたパネルを傍らに置く。1594年にプランシウスが製作した地図ではまだアメリカ大陸を示す人物がいなかったことを振り返ると、擬人化された大陸の姿もまた、地図とともに変化していくことがわかる。ヨーロッパを表した人物の傍らには、文化的豊饒を示す楽器や天球儀が置かれ、西欧中心主義の片鱗を見ることができる。

画面下部の中央には、渾天儀(こんてんぎ)が描かれる。これは望遠鏡のない時代、地球の周囲を惑星が回る軌道を知るために用いられたものである。人物像のさらに外側、左右に5つずつ描かれている小さな球形は、天体の運行を記した天文図である。地理学と天文学がいかに密接に発展してきたかが視覚的にも理解される作例である。

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