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『世界地図帳』(世界劇場)

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作品名 『世界地図帳』(世界劇場)
(せかいちずちょう せかいげきじょう)
作者名 オルテリウス(おるてりうす)
時代 16世紀
制作年・年記・銘 1578-97年
地域 国 アントウェルペン
分野 美術
員数 1冊のうち
サイズ 41.5×29.0cm

解 説

オルテリウスは地図が高価で広げるために場所が必要であることが多くの人々にとっては不便であると考え、地図帳の編纂を決意した。その編纂方針は、該当する地域の最良の地図を選択し、すべての地図を一定の大きさに縮尺して見開きに納め、原図を尊重し削除変更は行わないことを旨とした。本作は「世界地図帳」とも「世界劇場」とも呼ばれる1570年アントウェルペンで発行されたオルテリウスを代表する地図帳のドイツ語初版である。ラテン語版の他に、1571年オランダ語版、1572年フランス語版、1588年スペイン語版というように多言語に翻訳され出版された。このような人気は、地図に記されるそれぞれの形が不正確であっても、大航海時代を経て世界を把握しえたという時代認識があったものと想像される。日本からローマに渡った天正遣欧使節団もオルテリウスの地図を携えて帰国し、諸大名がそれを見たという史料が遺っていることから、日本においても為政者の立場では世界と同じ認識がされていたと思われる。
 オルテリウスの世界地図帳は生前に25回の版数を重ね、死後に6回を重ねた。 扉絵。一番上にはヨーロッパを示す女性が座る。法と正義を意味する錫杖を右手、左手には世界を表す地球儀がある。向かって左の香炉を持つ女性はアジア、右はアフリカで頭部に灼熱の太陽を表している。一番下は新大陸いわゆるアメリカで食人を示す人間の頭部を手にしている。食人は未開の人種を意味していた。全て女性の姿をしているのは、アメリゴ・ベスプッチが発見した土地をアメリゴの女性形アメリカとしたように、土地の名が女性形で記されためと考えられる。

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