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鉄釉 天目茶碗
作品名 | 鉄釉 天目茶碗 (てつゆう てんもくちゃわん ) |
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時代 | 室町時代 |
地域 国 | 日本 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一口 |
サイズ | 高6.6cm 口径12.1cm |
解 説
浅からず、深からず、口縁の反りも緩く、穏やかな姿の天目茶碗である。高台周辺露胎部に薄く鉄釉を塗り胎土の白味を隠しているのは唐物の胎土色に倣った工夫である。胎土はかたく焼き締まり、釉は、よく溶けて光沢があり、裾近くに下がるほど釉層が厚い。口縁の最も釉層が薄い部分は黒味がなく茶褐色を帯び、裾の釉だまりの部分は黒味勝ちに発色している。鎌倉時代、中国の禅宗文化の受容に伴い、抹茶の喫茶法と天目茶碗や天目台などの器物が伝わり広まった。室町時代になると嗜好品としても流行したことが、お伽草子の一場面、富裕の家の居室にしばしば描かれることからもうかがえる。発掘品の数量も多く、天目茶碗の製作は相当量にのぼり、製作地は瀬戸、美濃の諸窯に及んでいる。本器は胎土からして瀬戸の産と思われる。口縁には後代、銀の覆輪を嵌めている。