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阿蘭陀人咬哩吧黒坊
作品名 | 阿蘭陀人咬哩吧黒坊 (おらんだじんはりはりぼう ) |
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作者名 | 無款(むかん) |
時代 | 江戸時代 |
地域 国 | 日本 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一枚 |
サイズ | 45.1×32.9cm |
解 説
オランダ人と従者である黒人の少年を描く。1602年、オランダは東インド会社という貿易会社を設立し世界との交易を行っていた。交易だけでなく条約の締結や軍隊の交戦権など特権が付与され、セイロン島や北アメリカなど世界の各地に植民地を設けることもできた。南アフリカのケープタウンへは一六五二年に入植した。それを踏まえると咬哩吧というのはカリハと読むと考えられ、南アフリカにあるカラハリ砂漠を示しているように思われる。
阿蘭陀人は右手にワイングラスを持ち、左手にはステッキを握っている。身にまとうフロックコートは輪郭線と同時に摺られている。そのためかすれが生まれており皺の周りを白抜きにしているのと合わせると黒のべた塗りによって画面が重くならず、軽やかな印象を与えている。二重まぶたの大きな目と、大きな鼻は異国の人物の特徴をよく捉えている。
黒人の従者は大きな傘を背中に手を回して担いでいる。赤、黄色、薄墨の色は所々交じっているが、手の込んだ模様で服装がえがかれている。