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二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草

作品名 二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草
(にせいせがわとみさぶろうのおおぎしくらんどつまやどりぎとなかむらまんせのこしもとわかくさ )
作者名 東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)
時代 江戸時代
地域 国 日本
分野 美術
員数 一枚
サイズ 36.0×24.0cm

解 説

歌舞伎役者の顔を大きく強調して描いた大首絵。人物の顔貌をクローズアップして描く形式は大首絵と呼ばれる。『浮世絵類考』は写楽について「役者の似顔絵をうつせしが、あまり真を描かんとてあからさまにかきなせし故、長く世に行われず」と書く。写楽の人気が凋落した要因として、世評に背くほど役者の特徴を露わに描いたことを上げている。顔の表情や特徴を強調した、きわめて個性的な大首絵こそ、写楽の骨頂であったことになる。それを雄弁に語っている一点が本図である。寛政六年(1794)五月、都座で上演された狂言「花菖蒲文禄曽我」の登場人物二人を描いた作品。この狂言は元禄十四年(1701)にあった実話に基づくもので、父と兄の敵藤川水右衛門を石井源蔵らが苦難の末に討ち取るというもの。大岸蔵人は敵討ちの助太刀の役目。その妻がやどり木。若草はやどり木の待女。それらに注がれているのが写楽の目である。二世瀬川富三郎は、女方として活躍したが、顎が張つた顔立ちから「にく富」「いや富」とあだ名されたと伝えられる。一方の中村万世は下膨れの小柄な風体で、対比的に描かれる。丸に七五三結綿に富の字の家紋は二世瀬川富三郎、八本矢車に万の字は中村万世と知れる。版元は耕書堂・蔦屋重三郎。

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