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幌蚊帳
作品名 | 幌蚊帳 (ほろかや ) |
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作者名 | 喜多川歌麿(きたがわうたまろ) |
時代 | 江戸時代 |
地域 国 | 日本 |
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分野 | 美術 |
員数 | 一枚 |
サイズ | 36.0×22.8cm |
解 説
竹の骨を渡した子供用の折畳式の蚊帳の中で、無心に乳を飲む赤児。足を曲げた窮屈な姿勢のままでも構わないのは、滋養を得る喜びの方が勝っているのであろう。頬杖をついて目を細める母の表情は、うたた寝の姿とも解される。蚊帳の外から覗き込んでいる若い娘もその光景に目を細めている。蚊帳の内と外で見える明るさを異にして描き分ける。親子は明るく、若い娘の胴から腰にかけては二重になった蚊帳のために暗く沈み、顔や胸、腕辺りの色調と違いを見せる。人物を縦に重なるように配した縦構図に、蚊帳と竹の骨が作る曲線、側に立てかけられた衝立ての直線が、画面に安定と変化を添えている。歌麿による構成力と筆力、それを再現する彫りと摺りの技が生み出した卓抜な作品である。